放射線技師国家試験の勉強法
国家試験の勉強を始める時、
「なにから勉強したらいいん?」
という質問をよく見かけます。
私は国家試験の勉強には順番があると考えています。
その理由は、国家試験の試験要項そのものが、基礎科目と臨床科目という構造になっているからです。
臨床科目では、基礎科目で学んだ知識を前提として学習を進めます。
そのため、基礎科目の理解が不十分な状態で臨床科目を勉強すると、内容を理解することが難しくなります。
基礎科目とは
国家試験の基礎科目には、
- 放射線物理学
- 放射線生物学
- 放射線計測学
- 医用工学
- 基礎医学大要
があります。
放射線物理学
放射線とは何か、どのように発生するのか、そして物質とどのような相互作用を起こすのかを学ぶ科目です。
多くの科目の土台になる重要な科目です。
放射線生物学
放射線が人体に作用した時に、細胞や組織にどのような影響が生じるのかを学ぶ科目です。
放射線物理学で学ぶ相互作用の知識が前提になります。
放射線計測学
放射線の相互作用を利用して、放射線を測定・検出する仕組みを学ぶ科目です。
こちらも放射線物理学の知識が土台になります。
医用工学
医療機器を理解するために必要な工学的基礎を学ぶ科目です。
電流、電圧、電気抵抗、回路などの知識を学びます。
基礎医学大要
人体の構造や働き、そして病気によってどのような変化が起こるのかを学ぶ科目です。
解剖学、生理学、病理学などの知識は、後に学ぶ臨床科目を理解するための重要な土台になります。
臨床科目とは
国家試験の臨床科目には、
- X線撮影機器学
- X線撮影技術学
- 診療画像検査学
- 核医学検査技術学
- 放射線治療技術学
があります。
これらの科目は、それぞれ独立して存在しているわけではありません。
基礎科目で学んだ知識を組み合わせながら理解していく科目です。
例えば放射線治療技術学では、
- 放射線物理学
- 放射線生物学
- 放射線計測学
- X線撮影機器学
- 基礎医学大要
など、多くの科目で学んだ知識を利用します。
このように臨床科目では、複数の基礎科目の知識を組み合わせながら学習を進めます。
そのため、基礎科目の理解が不十分な状態で臨床科目を勉強すると、内容を暗記することはできても、本質的な理解は難しくなります。
私がおすすめする学習順序
まずは基礎科目から学習することをおすすめします。
特に 放射線物理学 と 基礎医学大要 は、多くの科目の土台となるため、早い段階で学習しておくと理解しやすくなります。
その後、
- 放射線生物学
- 放射線計測学
- 医用工学
へ進み、基礎科目全体の理解を深めます。
そして基礎科目がある程度理解できた段階で、
- X線撮影機器学
- X線撮影技術学
- 診療画像検査学
- 核医学検査技術学
- 放射線治療技術学
といった臨床科目へ進むことをおすすめします。
他の科目につながる知識を優先する
もちろん、国家試験に出題される以上、どの科目も勉強する必要があります。
しかし、勉強時間には限りがあります。
私は、他の科目につながる知識を優先して学習することが大切だと考えています。
例えば、放射線物理学や基礎医学大要で学ぶ内容は、多くの臨床科目につながります。
そのため、時間をかけて理解する価値が高い科目です。
一方で医用工学は、勉強時間が限られている中で後回しにされやすい科目でもあります。
実際に医用工学を捨てるという選択をする人もいますが、その場合でも、
- 他の科目につながる部分の理解
- 過去問レベルの問題を解ける力
は身につけておくことをおすすめします。
国家試験では比較的基本的な問題が出題されることもあります。
少し勉強すれば解ける問題を落としてしまうのはもったいないことです。
どの科目も完全に捨てるのではなく、重要度や他科目への波及効果を考えながら学習することが大切だと思います。
深追いする必要はありませんが、少なくとも過去問で出題された問題については解ける状態を目指してほしいと思っています。
最後に
国家試験は、それぞれの科目をバラバラに覚える試験ではありません。
基礎科目で学んだ知識を組み合わせながら、臨床科目を理解していく試験です。
そのため、苦手な臨床科目があった時は、その科目だけを勉強するのではなく、土台となる基礎科目に戻ってみることも大切です。
知識のつながりを意識しながら学習することで、国家試験の勉強はより理解しやすくなるはずです。