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光子 (過去12年/16問出題)

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🛡️ 光子 のまとめ ▼

どの相互作用が起きやすいかは光子のエネルギーで変化する。

エネルギー 現象 特徴
超低 干渉性散乱 エネルギーを失わず、方向だけ変える。
低 光電効果 全エネルギーを電子に渡し、自身は消滅!
中 コンプトン散乱 一部のエネルギーを電子に渡し、自身は散乱。
高 電子対生成 1.022 MeV 以上が必要!電子と陽電子が誕生。
超高 光核反応 10 MeV 以上が必要!原子核を直接壊す。

※以下の国家試験問題・選択肢は学習支援を目的として引用しています。問題文および選択肢の著作権は厚生労働省に帰属します。解説・補足・分野分類・関連知識の整理は当サイトが独自に作成しています。

1.相互作用の全体像 (1問)

74PM72 【放射線物理学】
水における光子エネルギーと相互作用ごとの質量減弱係数の関係を図に示す。Aの相互作用で正しいのはどれか。ただし、実線は全質量減弱係数とする。
1.光電効果
2.光核反応
3.干渉性散乱
4.電子対生成
5.Compton<コンプトン>散乱
正解:1

右にいくほど高エネ
上にいくほど起こりやすい

低エネでは光電効果が起こりやすい
エネルギーが大きくなるにつれてコンプトン散乱の割合が増えていく。

2.光電効果 (3問)

77PM61 【放射線物理学】
光電効果が生じたときに放出されるのはどれか。2つ選べ。
1.β 線
2.δ 線
3.特性 X 線
4.内部転換電子
5.Auger〈オージェ〉電子
正解:35
光電効果後の緩和過程
特性X線:空席に外殻電子が遷移する際に放出
オージェ電子:遷移時のエネルギーが X 線として放出されず、直接外殻電子を弾き出す現象
68AM72 【放射線物理学】
光電効果で正しいのはどれか。
1.軌道電子との弾性散乱である。
2.断面積は吸収端で急激に変化する。
3.光電子の反跳角は原子に固有の値となる。
4.L吸収端のエネルギーはK吸収端より高い。
5.入射光子と光電子の運動エネルギーは等しい。
正解:2
1.「弾性散乱」は、エネルギーを失わずに方向だけ変える干渉性散乱など
2.断面積おきる確率のこと。吸収端で確率が跳ね上がる!
3.反跳角=飛び出す方向、光子のエネルギーに依存
4.原子核に近いK殻の方がエネルギーは高い。
5.飛び出した光電子が持っている運動エネルギー=入射光子のエネルギー-電子の結合エネルギー
75PM72 【放射線物理学】
75 keV の光子がタングステンの K 殻軌道電子との光電効果を起こしたとき放出された光電子のエネルギー[keV]に最も近いのはどれか。ただし、タングステンの K 殻軌道電子の結合エネルギーは 69.5 keV とする。
1. 1.1
2. 5.5
3. 69.5
4.144.5
5.511.0
正解:2
飛び出した光電子が持っている運動エネルギー=入射光子のエネルギー-電子の結合エネルギー
75-69.5=5.5

3.コンプトン散乱 (3問)

73PM72 【放射線物理学】
511 keVのγ線がコンプトン散乱するときの散乱角90度の散乱線エネルギー[keV]に最も近いのはどれか。
1.128
2.170
3.256
4.341
5.511
正解:3
電子の静止エネルギー(511 keV)と同じエネルギーを持つ光子が 90度散乱 した場合、散乱光子のエネルギーはちょうど半分の 256 keV になる。という鉄板ルール!

計算するならこの式!
散乱光子のエネルギー $E' = \frac{E}{1 + \alpha (1 - \cos \theta )}$
76PM71 【放射線物理学】
60 keV 光子の水中における全相互作用数に対するコンプトン効果の寄与の割合[%]に最も近いのはどれか。
1.25
2.40
3.55
4.70
5.85
正解:5
エネルギーが上がるほど、コンプトン散乱自体の確率は下がりますが、他の相互作用(光電効果)がもっと早く下がるため、中エネルギー領域ではコンプトン散乱が支配的になります。
78PM62 【放射線物理学】
光子の水に対する質量減弱係数(A)と質量エネルギー転移係数(B)のエネルギー依存性を図に示す。水中において 1 MeV 光子がコンプトン反跳電子に付与する平均エネルギー [MeV] に最も近いのはどれか。
1.0.24
2.0.31
3.0.43
4.0.52
5.0.67
正解:3
光子エネルギー $1 \text{ MeV}$ のときの各係数をグラフから読み取ります。
質量減弱係数: 約0.070
質量エネルギー転移係数0.030
$$\text{エネルギ-転移の割合} = \frac{\text{質量エネルギ-転移係数 (B)}}{\text{質量減弱係数 (A)}}$$

$$\frac{0.028}{0.070}=0.4$$

4.電子対生成と三電子対生成 (2問)

68PM72 【放射線物理学】
光子と物質との相互作用で正しいのはどれか。
1.電子対生成のしきいエネルギーは1.022 MeVである。
2.電子対生成で生じる電子と陽電子の運動エネルギーは等しい。
3.三電子生成のしきいエネルギーは1.533MeVである。
4.三電子生成では1個の電子と2個の陽電子が生成される。
5.三電子生成は原子核のCoulomb(クーロン)場との相互作用によって起きる。
正解:1
2.入射光子のエネルギーからしきい値を引いた残りが2つの粒子の運動エネルギーに分配されますが、必ずしも等しく分けられるわけではありません。
3.三電子対生成のしきいエネルギーは2.044 MeV
4.三電子対生成は「もともといた軌道電子1個」+「新しく生まれた電子1個」+「新しく生まれた陽電子1個」
5.軌道電子のクーロン場
69AM72 【放射線物理学】
電子対生成で生じた電子と陽電子の全運動エネルギーが5MeV のとき、入射光子のエネルギー[MeV]に最も近いのはどれか。ただし、入射光子のエネルギーは単色とする。
1. 5
2. 6
3. 8
4.10
5.11
正解:2
入射光子のエネルギー=電子対生成で生じた電子と陽電子の全運動エネルギー+1.022=6.022

5.複合問題 (2問)

67PM73 【放射線物理学】
X 線と物質との相互作用で正しいのはどれか。
1.X 線光子のエネルギーが低いほどレイリー散乱の寄与は小さい。
2.光電効果では運動量の保存則は成り立たない。
3.コンプトン電子の最大エネルギーは入射 X 線光子のエネルギーに等しい。
4.電子対生成は原子核の周りのクーロン場との相互作用により生じる。
5.光中性子が生じるしきい値エネルギーは元素に関係ない。
正解:4
1.エネルギーが低いほど干渉性散乱の寄与が大きい。
2.物理学の基本原則として、運動量保存則は常に成り立つ
3.入射光子が180°真後ろに跳ね返ったとき、電子に最大のエネルギーが伝わりますが、光子のエネルギーをすべて奪い去ることはできません。
5.光核反応(光中性子放出)のしきい値は、核子を繋ぎ止めている「結合エネルギー」に関係するため、元素(原子核の種類)によってバラバラ
77AM61 【放射線物理学】
光子と物質の相互作用で正しいのはどれか。
1.特性 X 線は連続スペクトルを持つ。
2.光電効果は最外殻の電子で起こることが多い。
3.電子対生成の生じた位置で消滅放射線が発生する。
4.コンプトン散乱において散乱光子の波長は入射光子の波長より長くなる。
5.光子エネルギーが 1 MeV のとき鉛と光子の相互作用は電子対生成が主である。
正解:4
1.特性X線は線スペクトル
2.光電効果は内殻電子で起こりやすい
3.電子対生成で生まれた「陽電子」が周囲の電子と合体して発生、その場で発生しない。
5.電子対生成のしきい値は 1.022 MeV です。1 MeV ではそもそも電子対生成は起きません。

6.減弱の法則と定量的評価 (5問)

71AM71 【放射線物理学】
密度 $11.3 g・cm^{-3}$ の鉛に γ 線が入射したときの質量減弱係数は $8.8 \times 10^{-2} cm^{2}・g^{-1}$であった。このときの平均自由行程[cm]に最も近いのはどれか。
1.0.70
2.0.99
3.1.01
4.1.43
5.2.32
正解:3
平均自由行程$\lambda =1/µ$
質量減弱係数=線減弱係数µ / 密度ρ
77AM63 【放射線物理学】
50 keV 光子の Al(原子番号 13、原子量 27、密度 $2.7 g・cm^{-3}$)に対する線減弱係数が $1.0 cm^{-1} $であるとき、この光子エネルギーに対する Al の電子断面積[b](バーン)に最も近いのはどれか。ただし、アボガドロ数を $6.0 \times 10^{23}$、$1 b = 10^{-24} cm^{2} $とする。
1. 0.08
2. 0.4
3. 1.3
4. 4.8
5.17
正解:3
μ=σ×単位体積中の原子数
単位体積中の電子の数=(密度/原子量×アボガドロ数)×原子番号
70PM72 【放射線物理学】
光子エネルギーに対する水の質量減弱係数の関係を図に示す。0.45 MeVの細い光子ビームが厚さ10 cmの水を通過したときの一次線透過率に最も近いのはどれか。ただし、e =2.7 とする。
1.0.10
2.0.37
3.0.50
4.0.60
5.0.69
正解:2
グラフから0.45 MeVの光子の質量減弱係数は0.1cm2g-1
水の密度は1
質量減弱係数=線減弱係数/密度
71PM73 【放射線物理学】
ある物質の光子エネルギーに対する質量減弱係数の関係を図に示す。この物質はどれか。
1.Al
2.Cu
3.I
4.Mo
5.Pb
正解:3
グラフ上の 33 keV 付近に見られる鋭い不連続点(K 吸収端)は、ヨウ素 (Z=53) 特有のエネルギー値です。Pb (鉛) は 88 keV、Mo (モリブデン) は 20 keV 付近にあります。
71PM74 【放射線物理学】
水の 1.1 倍の線減弱係数を持つ組織の Hounsfield 値値はどれか。
1.-100
2. -10
3. 1
4. 10
5. 100
正解:5
解説準備中