中性子線は電荷を持たない間接電離放射線。物質と相互作用するときは、電子ではなく「原子核」に直接ぶつかるのが特徴!
1. 中性子のエネルギー分類 ⚡
中性子はそのスピード(エネルギー)によって呼び方が変わる。
- 熱中性子:エネルギーは約 0.025 eV。周囲の原子と熱平衡状態にある、ゆっくりとした中性子。
- 速中性子:通常 0.1 $\sim$ 0.5 MeV 以上 の高い運動エネルギーを持つ中性子。
中性子は原子核に直接ぶつかる!
- 弾性散乱:原子核に激突して相手を弾き飛ばし、自分は減速する。
- 一番減速する条件:標的が中性子と同じ重さ(水素の陽子)のとき!
- 減速材:水素をたっぷり含む水、パラフィン、ポリエチレンなどが適している。
- 中性子捕獲:原子核に吸収されて、別の放射線を出す反応。
- 捕獲される確率(断面積):中性子のスピードが遅ければ遅いほど(熱中性子ほど)捕まる!断面積(確率)は「速度 $v$ に反比例 ($1/v$)」する。
- 原子核が中性子を吸い込むと放射性同位体になり、γ線(捕獲γ線)を放出することが多い。
- 非弾性散乱:原子核にぶつかって相手を「励起(興奮)」させ、直後にγ線(非弾性散乱γ線)が出させる現象。重い原子核(鉛など)で起きやすい!
- 核分裂:ウラン ($^{235}\text{U}$) などの超重い核が対象。とくにスピードの遅い「熱中性子」を吸収した際に原子核が分裂し、莫大なエネルギーと 2 $\sim$ 3 個の新しい中性子を出す!
中性子に阻止能はある? 🤔
中性子は電気を持たないため、中性子自体に「阻止能」という言葉は使いません。ただし、中性子が弾き飛ばした二次粒子(陽子など)は電気を持っており、それらには「阻止能」があります!
3. 不安定な単独中性子 ⏳
原子核の外に放り出された単独の中性子は、そのままではいられない。
- 壊変:半減期 約 10.2 分、平均寿命 約 15 分(900秒)で自ら「$\beta^-$ 壊変」を起こし、陽子と電子(と反ニュートリノ)に変わってしまう!