光子(X線やγ線)は電荷を持たない「間接電離放射線」
自ら電離するのではなく、以下の二段階のプロセスを経て電離を引き起こす!
1. 光子の電離プロセス ⚡
光子が物質を電離するまでには、2 つのステップを踏む。
- 第一段階(相互作用): 光子が電子や原子核に衝突!自分のエネルギーを電子に渡して、自身は消滅するか、方向を変える。
- 第二段階(電離): エネルギーをもらって弾き飛ばされた電子(二次電子)が、周辺の電子を次々と軌道から弾き出す。
第一段階で起こる現象は、光子自身のエネルギーの強さによって決まっている!
| エネルギー |
現象 |
特徴 |
| 超低 |
干渉性散乱 |
エネルギーを失わず、方向だけ変える。 |
| 低 |
光電効果 |
全エネルギーを電子に渡し、自身は消滅! |
| 中 |
コンプトン散乱 |
一部のエネルギーを電子に渡し、自身は散乱。 |
| 高 |
電子対生成 |
1.022 MeV 以上が必要!電子と陽電子が誕生。 |
| 超高 |
光核反応 |
10 MeV 以上が必要!原子核を直接壊す。 |
3. 散乱光子の運動量とエネルギー 📐
光子が電子と衝突するとき、全体で「エネルギー」と「運動量」の両方が保存される!
- 散乱された光子は、エネルギーの一部を電子に与えるため、元の光子よりも波長が長くなる。
光子(X線・γ線)が物質を通り抜けるときに、どれだけ減って弱まるか(どれだけ相互作用するか)を表すのが減弱係数
- 減弱の法則: $I = I_0 e^{-\mu x}$
($I_0$: 元の強さ、$I$: 通過後の強さ、$\mu$: 線減弱係数、$x$: 物質の厚さ)
- $\mu = \tau (\text{光電}) + \sigma (\text{コンプトン}) + \kappa (\text{電子対})$
- 線減弱係数 ($\mu$): 単位厚さあたりの反応確率。
- 物質の密度に依存する。
- 質量減弱係数 ($\mu/\rho$): 線減弱係数を密度 $\rho$ で割ったもの。
- 物質の状態(氷・水・水蒸気)によらず一定なので、物理データとして非常に使いやすい!
減弱係数は「光子(X線・γ線)」専用の言葉。電子や陽子などの荷電粒子には絶対に使わない!