1. 受けたダメージ(線量:Dosimetry) 🎯
最も重要で混同しやすい部分。ポイントは「何が」「どこで」定義されているか!
- 照射線量 ($X$):「空気」の中を「光子(X・$\gamma$線)」が通ったとき、どれだけ空気を電離(イオン化)したかを表す量。単位は C/kg。
- 空気のみが対象。荷電粒子には定義されない。
- 「二次電子が起こす制動放射による電離を含めない」 というルールがある。
- 「エネルギーフルエンスに比例する」 という性質も。
- 光子のみに定義される。
- カーマ ($K$):光子や中性子(非荷電粒子)が、物質に当たって二次的に弾き飛ばした粒子(電子など)に最初に与えたエネルギーの総和。単位は Gy(グレイ)。
- シーマ ($C$):電子やα線などの「荷電粒子」が、物質中の電子に最初に与えたエネルギーの総和(カーマの荷電粒子バージョン)。単位は Gy(グレイ)。
- 吸収線量 ($D$):放射線の種類を問わず、あらゆる物質が実際に吸収して保持したエネルギー。放射線影響の基本となる量で、単位は Gy。
2. 放射線源のパワー(放射能など) 🔋
- 放射能 ($A$):放射性物質が1秒間に崩壊する数。単位は Bq(ベクレル)。
- W値:気体中で1個のイオン対を作るのに必要な平均エネルギー。
- 空気では約 33.97 eV( $\approx 34$ eV) が必要!
- 空気の $W/e$ (1クーロンあたりのエネルギー)も $\approx 34$ J/C となり、計算問題の重要定数!
① 基本の計算式(光子・中性子)
② 照射線量 ($X$) からの変換(空気の場合)
- 吸収線量 $D_{air}$ (空気カーマ) = 照射線量 ($X$) $\times$ 34 ($W/e$)
- なぜ34を掛ける?:照射線量で測っているのは「電気の量(C/kg)」です。そこに「空気中に電気を1つ作るコスト(W値 $\approx 34$)」を掛けることで、「エネルギーの量(Gy)」に変換しています。
- ひっかけ注意:単位が mC/kg(ミリ)などで出題されたら、1000で割って C/kg に直してから34を掛けましょう!
3. 人体へのリスク(防護の量) ⚠️
線量(Gy)に、放射線の種類や臓器の当たりやすさを加味した「人間専用」の物差し。
- 等価線量 ($H$):吸収線量に放射線加重係数 ($w_R$) を掛けたもの。単位は Sv(シーベルト)。
- 実効線量 ($E$):等価線量にさらに組織加重係数 ($w_T$) を掛けたもので、全身の「がんのリスク」を評価する。単位は Sv。