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線量計測:照射線量 (過去12年/5問出題)

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🛡️ 線量計測:照射線量 のまとめ ▼

照射線量と電離箱 💡

  • 照射線量は「空気」を対象とした「光子」のみの物理量(制動放射による電離は除外)
  • 診断用X線を空洞電離箱線量計で測定する際、空気密度の変化による「温度気圧補正」が必須
  • 指頭形電離箱の電離電流は「充填気体の密度」に比例
  • 空気等価壁の厚みを増すと、収集電荷量はビルドアップにより極大値をとった後、減弱によりゆるやかに減少

温度気圧補正の計算 🚀

  • 補正係数の式: $ k_{tp} = \frac{273.15 + T}{273.15 + 22} \times \frac{101.3}{P} $
  • 基準大気条件( $ 22 {}^{\circ}\text{C}, 101.3 \text{ kPa} $ )で校正された線量計を $ 25.0 {}^{\circ}\text{C}, 100.0 \text{ kPa} $ で使用した場合、 $ k_{tp} \approx 1.02 $
  • 温度を実際より高く読み間違えると、 $ k_{tp} $ が大きくなり、線量を「過大評価」する原因に

※以下の国家試験問題・選択肢は学習支援を目的として引用しています。問題文および選択肢の著作権は厚生労働省に帰属します。解説・補足・分野分類・関連知識の整理は当サイトが独自に作成しています。

77AM68 【放射線計測学】
エネルギーフルエンスが一様な γ 線場において指頭形電離箱で電離電流を測定するとき、測定値で正しいのはどれか。
1.空洞の体積に反比例する。
2.充塡気体の密度に比例する。
3.充塡気体の W 値に比例する。
4.集電極の印加電圧に反比例する。
5.電離箱壁からの二次電子の飛程に比例する。
正解:2
2.電離電流の大きさは、電離箱の中で発生したイオン対の数で決まります。気体の密度が高くなると(あるいは圧力を上げると)、放射線がぶつかるターゲットが増えるため、電離が増え、電流も大きくなります。

1.体積に 比例:部屋(電離箱)が広ければ広いほど、その中で捕まえられる放射線の量も増える
3. W 値に 反比例:$W$ 値とは「1個のイオン対を作るのに必要なエネルギー」のこと。W値が大きいほど「電離しにくい(イオン対ができにくい)」ということ
4. 電圧を変えても電流は変わりません。
5. 二次電子の飛程(飛ぶ距離)と電離電流に直接の比例関係はありません。
73PM79 【放射線計測学】
空洞電離箱線量計を用いた診断用X 線の線量測定について正しいのはどれか。
1.温度気圧補正が必要である。
2.極性効果補正が必要である。
3.イオン再結合補正が必要である。
4.水吸収線量校正定数が必要である。
5.線量計にビルドアップキャップを装着して測定する。
正解:1
「診断(レントゲン)」= 空気を相手にしている
診断用X線はパワーが弱いので、「空気」をどれくらいビリビリさせたか(電離)を基準にします。
指標: 空気カーマ(または照射線量)
大事なこと: 電離箱の中の空気のコンディションがすべて!
だから: 温度と気圧を補正して、空気の「濃さ」を一定にするのが一番の正解になります。
イオン再結合補正や極性硬化補正は治療用のような高線量率の場合に行います。
74AM82 【放射線計測学】
標準計測法 12 の空洞電離箱の温度気圧補正係数の式で正しいのはどれか。ただし、測定時の温度を T[℃]、気圧を P[kPa]とする。
1.$\frac{(273.2 + T)}{(273.2 + 22.0)} \cdot \frac{101.33}{P}$
2.$\frac{(273.2 + 22.0)}{(273.2 + T)} \cdot \frac{1013.3}{P}$
3.$\frac{(273.2 + T)}{(273.2 + 22.0)} \cdot \frac{P}{1013.3}$
4.$\frac{(273.2 + 20.0)}{(273.2 + T)} \cdot \frac{P}{101.33}$
5.$\frac{(273.2 + T)}{(273.2 + 20.0)} \cdot \frac{1013.3}{P}$
正解:1
標準計測法12(JSMP12)では、基準温度 $T_0 = 22.0\,[\text{°C}]$、基準気圧 $P_0 = 101.33\,[\text{kPa}]$ と定められています。
温度 $T$、気圧 $P$ における補正係数 $k_{TP}$ は、理想気体の状態方程式に基づき、基準状態の空気密度に対する測定時の空気密度の逆数として求められます。
$$k_{TP} = \frac{273.2 + T}{273.2 + 22.0} \cdot \frac{101.33}{P}$$
78AM70 【放射線計測学】
空洞電離箱線量計を用いて大気条件 25.0 ℃、100.0 kPa のもとで照射線量を測定した。温度気圧補正係数に最も近いのはどれか。ただし、空洞電離箱線量計は基準大気条件 22.0 ℃、101.3 kPa のもとで校正されたものとする。
1.0.95
2.0.98
3.1.00
4.1.02
5.1.05
正解:4
74AM82の式に代入
$$k_{TP} = \frac{273.2 + 25.0}{273.2 + 22.0} \times \frac{101.3}{100.0}$$
最も近い値は 1.02
76AM81 【放射線計測学】
指頭形電離箱を用いて X 線の照射線量を測定するとき空気等価壁の壁厚と収集電荷量の関係で正しいのはどれか。
1
2
3
4
5
正解:4
指頭形電離箱の壁(空気等価壁)が厚くなっていくとビルドアップ現象により収集電荷量が増えていき、ある厚さで二次電子平衡状態になる。
さらに厚くしていくと、X線が減弱していき、収集電荷量は減っていく。