0. 放射線検出の「共通の目的」
全ての放射線検出器の共通の仕事は、「放射線が物質に与えた物理的な変化(電離や励起)を、電気や光の信号として取り出すこと」
🚀 今回のテーマ: 放射線によって引き起こされる「化学反応」の量(色の変化や物質の変化)を測ることで、吸収線量を求める仕組み。
1. 化学線量計の共通ルール:G値(放射線化学収率)
- 定義: 放射線エネルギーを 100 eV 吸収したときに、変化(生成や分解)した分子やイオンの数。
G値の単位は mol/J などが用いられる。
2. 液体線量計
① フリッケ線量計
- 反応: 酸化反応。鉄イオンを $Fe^{2+}$(第一鉄)から $Fe^{3+}$(第二鉄)へ変化。
- 測定方法: $Fe^{3+}$ が吸収しやすい波長 304 nm の紫外線を当て、その「吸光度」を分光光度計で測る。
- 測定範囲: 40〜400 Gy 程度。かなりの大線量用。
② セリウム線量計
- 反応: 還元反応。セリウムイオンを $Ce^{4+}$ から $Ce^{3+}$ へ変化。
- 測定範囲: $10^2$ 〜 $10^5$ Gy。フリッケよりもさらに桁違いの大線量用です。
3. もう一つの主役:ラジオクロミックフィルム
レントゲンフィルムと違い、「現像処理が不要」ですぐに色がつく特殊なフィルム。
- 特徴: 放射線が当たると感光層が重合反応を起こし、透明から青色に着色。
- メリット: 水中でのエネルギー依存性が小さく、空間分解能に優れる。
- デメリット(超頻出): フィルムを読み取る向きによって値が変わる「読み取り方向の依存性」。