1. スペクトルの種類:線と連続の違い
2. 道具の性能:エネルギー分解能
- 半値幅(FWHM):ピークの高さの半分(50%)の位置における「幅」のこと。この幅が狭いほど、高性能な測定器といえる [32, 33, 274(76AM80)]。
- 最強の測定器「Ge半導体検出器」: $\text{NaI(Tl)}$ シンチレーション検出器に比べて圧倒的にエネルギー分解能が高く、γ線のスペクトル測定に必須。ただし、使用時は液体窒素などでの冷却が必要 [13, 32, 45, 274(70PM81)]。
3. γ線スペクトルの「山」の読み解き方
γ線を測ると、検出器内で起きる相互作用(光電効果やコンプトン散乱など)によって、特徴的な「山(ピーク)」が現れる。
- 光電ピーク(全エネルギー吸収ピーク):放射線のエネルギーがすべて検出器に吸収されたときにできる、最も重要な山。
- コンプトン端(Compton Edge):コンプトン散乱で電子に与えられるエネルギーの最大値の場所。これより高エネルギー側は崖のように落ち込む。
- サムピーク(和ピーク):2つの放射線が「同時に」検出器に入ったとき、その合計エネルギーの場所に現れる山。
- 消滅放射線ピーク(511 keV):電子対生成などが起きた際に発生する特有のピーク [46, 274(68PM83)]。
- エスケープピーク:エネルギーが 1.022 MeV を超えると、電子対生成によって生じた 511 keV の光が1個(シングル)または2個(ダブル)外に逃げてしまい、その分エネルギーが差し引かれた場所に山ができる。
$^{60}\text{Co}$ の場合、1.17 MeV と 1.33 MeV の合計である 2.50 MeV付近 にサムピークが現れる!
4. 計算問題の急所:エネルギー校正
解き方のコツ: 「1チャネルあたり何keVか」を計算するだけ!
- 例:900 ch = 500 keV、1900 ch = 1000 keV の場合
- 差をとると 1000 ch の間に 500 keV の差があるので、1 ch = 0.5 keV。
- これを使えば、1300 ch のエネルギーは 700 keV と導き出せる。