1. 照射線量(X)とは?:空気中に作られた「電気の量」を測る
照射線量は、X線やγ線(光子)が「乾燥した空気」を電離し、そこで発生した「電気の量(電荷)」の総和を測る物差しである。
- 定義:光子によって空気中に作られた二次電子が、空気中で静止するまでに発生させた電荷量の総和を、空気の質量で割ったもの。
- 単位: $\text{C/kg}$(クーロン毎キログラム)。
2. 照射線量を測る道具
3. 計算問題の急所:3大補正
電離箱で得られた生データ(表示値)はそのまま使うことはできないため、正しく線量を導き出すためには3つの補正が必要!
- 気象補正(温度気圧補正): $k_{tp}$
電離箱で測定される電気の量は、中の空気の密度(重さ)に比例するため、基準の状態にする補正が必要!- 空気は温度が上がると膨張し、気圧が下がると薄くなる。
- 公式: $k_{tp} = \frac{273.15 + T}{273.15 + 22} \times \frac{101.325}{P}$
- 基準となるのは「 $22 {}^{\circ}\text{C}, 101.3 \text{ kPa}$ 」
- イオン再結合補正: $k_s$
放射線で作られたイオンが、電極に届く前にプラスとマイナスがくっついて元に戻ってしまう現象を補正 - 極性効果の補正: $k_{pol}$
電圧のプラス・マイナスを入れ替えたときに、測定値に出るわずかな差をならす補正
4. 壁の厚さとビルドアップ
- 薄すぎ:X線が壁を通り抜けてしまい、空気中で十分に二次電子を発生させることができない。
- ビルドアップ現象:壁を厚くしていくと、飛び出す電子が増えて収集電荷量が増加し、ある厚さで最大(二次電子平衡状態)になる。
- 厚すぎ:壁そのものでX線が弱まって(減弱して)しまい、収集電荷量は徐々に減っていく。