電力装置の知識

X線装置は、家庭用コンセントの「交流(AC)100V/200V」のままでは動作不可。そのため、このため、用途に合わせて電気の形態と電圧を変換する「電力装置」が必要不可欠。

⚡️ 家庭用コンセントからX線管へ供給(現代の共振型インバータ方式)

  1. ①入力:家庭用コンセント(100V/200V 交流)
  2. ②AC-DCコンバータ(一次整流):コンセントの電気をまず直流にする。
  3. ③DC-ACインバータ(高周波変換):直流を「数kHz〜数百kHzの高速交流」に変換する。
  4. ④高圧変圧器(昇圧):変圧器(トランス)で、必要な電圧(高電圧)に変換
  5. ⑤高圧整流回路(二次整流):交流を安定した「直流」へ変換
  6. ⑥安定した直流がX線管に供給され、X線が発生

🔌 電力の変換とコンバータ

💡 試験のためのわりきり(DC-DCコンバータ)

DC-DCコンバータ(チョッパ回路):直流から異なる電圧の直流への変換
主な役割:後段の変圧器(トランス)に供給する電圧を調整する(二次側の出力電圧を制御するため)
現状:近年の共振型インバータ方式では直接的なチョッパ回路は省略される傾向にある。

目的: チョッパ回路の最大の機能は「スイッチを高速でオン・オフすることで、入力電圧を削って好きな電圧に調整する」こと
$V_{out} = E \times \frac{T_{on}}{T_{on} + T_{off}}$

🌀 変圧器(トランス)の基礎

コンセントからの電圧を変換するための装置。
共通の鉄心に2本のコイル(一次側・二次側)を巻いた構造。

動作の仕組み
1. 一次側に電流を流すと鉄心を通って磁束(磁界)が発生(電磁誘導
2. 二次側でその磁束をキャッチ
3. 二次側のコイルの巻き数が多いほど磁束をたくさんキャッチできて高電圧になる!

電圧:巻き数が多いと磁束(磁力)を拾うチャンスが増えるから電圧はあがる。(比例)
$ V_1 / V_2 = n_1 / n_2 $

電流:巻き数が多いと電圧が上がるけど、入ってきた電力($P=V \cdot I$)は変わらないので電圧が上がると電流は小さくなる。(反比例)
$ I_1 / I_2 = n_2 / n_1 $

磁束(磁力)を発生させる速度(交流の周波数 $f$)を速くすると、少ない磁力でも効率よく高い電圧を誘起できる
周波数を高くする(高周波化)と、必要な磁束(磁力)を減らせるため、鉄心を小さく・巻き数を少なくできる。
現代のX線装置は?
チョッパ回路で電圧を調整することなく振動数で調整。
大型の変圧器を用いることなく小型・軽量化を実現している。

📉 変圧器の損失

理想的な変圧器でのエネルギー損失はゼロ。しかし現実には以下の損失(ロス)が発生。
※ここで言う負荷は二次側で消費する電力の量

損失の種類 何に比例して増える? どこで起きる?
鉄損 磁束密度 $ B \propto V/f $ 鉄心の中
銅損 電流の2乗(負荷に直結) コイル(巻線)の中
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