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腫瘍・炎症 (過去11年/21問出題)

※以下の国家試験問題・選択肢は学習支援を目的として引用しています。問題文および選択肢の著作権は厚生労働省に帰属します。解説・補足・分野分類・関連知識の整理は当サイトが独自に作成しています。

1.SUV・原理 (4問)

67PM27 【核医学検査技術学】
18F - FDG 腫瘍 PET で SUV を計算で求めるために必要なのはどれか。2 つ選べ。
1.体 重
2.血糖値
3.血中の放射能量
4.投与薬剤の容量
5.投与薬剤の放射能量
正解:15
18F-FDG 腫瘍 PET の SUV 計算:
1. 体重、および 5. 投与薬剤の放射能量(投与量):SUV (Standardized Uptake Value) は、腫瘍内の放射能濃度を「(投与量 / 体重)」で規格化した値であり、この 2 つのパラメータが必須です。血糖値は補正に使うことがありますが、基本定義には含まれません。
72PM34 【核医学検査技術学】
18F - FDG 腫瘍 PET で SUV を計算で求めるために必要なのはどれか。2つ選べ。
1.体 重
2.血糖値
3.血中の放射能量
4.投与薬剤の容量
5.投与薬剤の放射能量
正解:15
SUV 計算に必要な項目(2つ選べ):
1. 体重、および 5. 投与薬剤の放射能量(投与量):SUV = (組織内放射能濃度) / (投与量 / 体重) で定義されるため、この 2 つの情報が不可欠です。
68PM28 【核医学検査技術学】
18F -FDG PETのSUV値で正しいのはどれか。
1.血糖値が高いと腫瘍で高くなる。
2.運動後に検査をすると筋肉で低くなる。
3.皮下への注射漏れがあると脳で高くなる。
4.投与から1時間経過すると腫瘍で一定となる。
5.18F-FDG が体外に排出されず体内に均等に分布すると1になる。
正解:5
SUV (Standardized Uptake Value) の性質:
5. 18F-FDG が体外に排出されず体内に均等に分布すると 1 になる:SUV は「体内に均一に分布した場合の濃度に対する、局所濃度の比」を意味するため、全域に均等であればどこを測っても 1 となります。正しい記述です。
1. 血糖値が高いと FDG と糖が競合し、腫瘍への取り込み(SUV)は「低下」します。
70PM28 【核医学検査技術学】
身長150 cm、体重50 kgの患者に18F - FDG を150 MBq投与し、55分後に20分間PETで撮影した。投与時刻に減衰補正した再構成画像で腫瘍の放射能濃度は9kBq・mL-1 であった。腫瘍のSUVはどれか。ただし、18F - FDG の半減期を110 分、人体の密度を1g・mL-1とする。
1.1.5
2.2.1
3.3.0
4.4.3
5.6.0
正解:3
SUV の計算問題:
腫瘍濃度 C = 9 kBq/mL = 9000 Bq/mL。
投与量 D = 150 MBq = 150 × 106 Bq。
体重 W = 50 kg = 50000 g。
SUV = C / (D / W) = 9000 / (150 × 106 / 50000) = 9000 / 3000 = 3.0。
※画像が投与時刻に減衰補正されているため、半減期による補正は不要です。正解は 3.0 (選択肢 3) です。

2.FDG臨床 (10問)

69PM26 【核医学検査技術学】
健常者の 18F - FDG PET で描出される頻度が低いのはどれか。
1.脳
2.肝 臓
3.胆 囊
4.腎 臓
5.大 腸
正解:3
健常者の 18F-FDG PET で描出される頻度が低い部位:
3. 胆囊:FDG は主に腎臓から排泄されます。胆道系への排泄はほとんどないため、健常な胆嚢には通常集積しません(あれば胆嚢炎等の疾患を疑います)。
71AM26 【核医学検査技術学】
小児の18F - FDG PET で生理的集積がみられないのはどれか。
1.大 脳
2.肺
3.胸 腺
4.肝 臓
5.腎 臓
正解:2
小児の 18F-FDG PET の特徴:
2. 肺:健常な肺は空気を含み、グルコース代謝も低いため、生理的な集積は乏しいです。
3. 胸腺:小児や若年者では、縦隔の胸腺に明瞭な生理的集積が見られるのが正常な特徴です。
76PM34 【核医学検査技術学】
18F-FDG の生理的集積部位でないのはどれか。
1.肺
2.肝 臓
3.小 脳
4.腎 臓
5.外眼筋
正解:1
18F-FDG の生理的集積部位:
1. 肺:空気を含む正常な肺野には、脳や肝臓のような顕著な生理的集積は認められません。
3. 脳(小脳含む)、4. 腎臓、5. 外眼筋などは糖代謝や排泄に関連して生理的集積を認めます。
72AM34 【核医学検査技術学】
18F - FDG 腫瘍PETで誤っているのはどれか。
1.撮影前に排尿する。
2.気管支喘息は禁忌である。
3.18F - FDG 投与後は安静にする。
4.18F - FDG 投与前に血糖値を測定する。
5.集積程度の半定量的な評価にSUV を用いる。
正解:2
18F-FDG 腫瘍 PET に関する誤り:
2. 誤り:気管支喘息は FDG-PET における禁忌ではありません。FDG は極微量で非アレルゲン性(ブドウ糖類似体)であるため、副作用は極めて稀です。
1, 3, 4, 5 は検査の質を保つための正しい手順や指標です。
73AM32 【核医学検査技術学】
18F-FDG PET 検査で正しいのはどれか。
1.炎症への集積は亢進する。
2.投与前の運動は検査に影響がない。
3.検査前2時間程度の絶食が必要である。
4.18F-FDG 投与後撮影を開始するのは約 15 分後である。
5.入院患者の場合は 18F-FDG を病室で投与する場合がある。
正解:1
18F-FDG PET 検査の性質:
1. 炎症への集積は亢進する:活動性の高い炎症部位にはマクロファージや白血球が集まり、糖代謝が高まっているため、FDG が強く集積します。偽陽性の原因として重要です。
3. 正確な評価のため、少なくとも 4〜6 時間の絶食が必要です。
74PM29 【核医学検査技術学】
18F-FDG 腫瘍 PET 検査で正しいのはどれか。
1.アミノ酸代謝を評価する。
2.静脈注射後3日で撮影する。
3.早期胃癌の診断に有用である。
4.前処置として下剤を投与する。
5.主な排泄経路は腎・尿路系である。
正解:5
18F-FDG の体内挙動:
5. 主な排泄経路は腎・尿路系である:糸球体で濾過された後、再吸収を受けずに尿として膀胱へ運ばれます。そのため腎・尿路系の評価には不向きです。
1. 糖(グルコース)代謝、3. 早期胃癌等の微小病変には感度が低いです。
77PM19 【核医学検査技術学】
18F-FDG PET で褐色脂肪への生理的集積と最も関連があるのはどれか。
1.運 動
2.喫 煙
3.肥 満
4.高血糖
5.寒冷刺激
正解:5
褐色脂肪細胞への FDG 生理的集積:
5. 寒冷刺激:褐色脂肪細胞は外的環境が寒い時に熱を産生して体温を維持する役割があり、その活動(代謝)が活発になると、FDG が強く集積します。夏場よりも冬場の検査で多く見られる特徴です。
67PM33 【核医学検査技術学】
18F - FDG 腫瘍 PET で有用性が最も低い癌種はどれか。
1.頭頸部癌
2.食道癌
3.肺 癌
4.肝内胆管癌
5.腎 癌
正解:5
18F-FDG 腫瘍 PET の有用性が低い癌種:
5. 腎癌:FDG は腎・尿路系から生理的に速やかに排泄されます。そのため、腎臓内に生理的な高放射能が存在し、その中に隠れてしまう(コントラストがつかない)腎実質癌の検出感度は低くなります。
68PM34 【核医学検査技術学】
18F-FDGの集積性が低いのはどれか。
1.大腸癌
2.悪性黒色腫
3.悪性リンパ腫
4.頭頸部 平上皮癌
5.高分化型肝細胞癌
正解:5
18F-FDG の集積性が低い腫瘍:
5. 高分化型肝細胞癌:正常な肝細胞に近い機能を残しており、脱リン酸化酵素(G6Pase)の活性が高いため、一度取り込まれた FDG が再び細胞外へ出ていきやすく、集積が目立たないことが多いです。
69PM34 【核医学検査技術学】
18F - FDG PET による腫瘍検査で正しいのはどれか。
1.血流に比例した集積を示す。
2.SUV の算出には身長の値が必要である。
3.放射性医薬品投与 6時間後から撮影する。
4.放射性医薬品投与後の運動で骨格筋への集積が増加する。
5.血糖値が高い場合は放射性医薬品投与直前にインスリンを投与する。
正解:4
18F-FDG PET 腫瘍検査の注意点:
4. 放射性医薬品投与後の運動で骨格筋への集積が増加する:FDG は活動している筋肉に積極的に取り込まれるため、投与後に動いたり力を入れたりすると、病変の判別が困難になります。そのため投与後は「安静」が必須です。

3.ガリウム・治療 (7問)

71PM31 【核医学検査技術学】
健常成人で 67Ga - クエン酸ガリウム投与 72 時間後像で描出される頻度が最も低いのはどれか。
1.涙 腺
2.肝 臓
3.膵 臓
4.脾 臓
5.唾液腺
正解:3
ガリウムシンチの生理的集積頻度が低い部位:
3. 膵臓:67Ga は膵臓には通常集積しません。涙腺、唾液腺、肝臓、脾臓、骨髄などは生理的な集積部位として知られています。
70PM34 【核医学検査技術学】
ガリウムシンチグラフィで正しいのはどれか。
1.早期胃癌の診断に有用である。
2.正常でも大腸がしばしば描出される。
3.前処置としてカフェイン摂取制限を行う。
4.使用される放射性核種の半減期は約8日である。
5.初回の撮影は放射性医薬品投与約15分後に行う。
正解:2
ガリウムシンチグラフィの特徴:
2. 正常でも大腸がしばしば描出される:ガリウムは投与数日後から主に糞便中に排泄されるため、正常な場合でも腸管内に放射能が認められ、病変との鑑別が必要になります。正しい記述です。
4. 半減期は約 3.3 日 (78 時間) です。
72AM32 【核医学検査技術学】
67Ga シンチグラフィで誤っているのはどれか。
1.正常肝が描出される。
2.検査前日に下剤を内服する。
3.骨髄炎では異常集積を示す。
4.静脈注射後2〜3日で撮影する。
5.使用した放射性医薬品は主に尿中に排泄される。
正解:5
ガリウムシンチグラフィの誤り:
5. 誤り:67Ga は投与初期には一部が尿中に排泄されますが、時間の経過とともに主な排泄経路は「大腸(糞便)」へと移ります。そのため、排泄による腸管像の消失を待つために、投与 2〜3 日後に撮影します。
75PM29 【核医学検査技術学】
67Ga-クエン酸ガリウムによる腫瘍シンチグラフィで正しいのはどれか。
1.腸管の描出が認められる。
2.放射性医薬品投与前約 6 時間絶食する。
3.放射性医薬品投与約 6 時間後に撮影する。
4.放射性医薬品投与約 30 分後に水負荷を行う。
5.成人の放射性医薬品の投与量は 740 MBq である。
正解:1
67Ga 腫瘍シンチグラフィ:
1. 腸管の描出が認められる:薬剤が胆汁から腸管へと排泄されるため、生理的な腸管内の放射能が観察されます。これと腹部病変を区別するため、下剤の使用や数日後の再撮影が行われます。正しい。
5. 投与量は通常 74〜111 MBq (2〜3 mCi) 程度です。
68AM34 【核医学検査技術学】
ガリウムシンチグラフィが有用な疾患はどれか。
1.胃癌
2.腎癌
3.子宮体癌
4.前立腺癌
5.悪性リンパ腫
正解:5
ガリウムシンチグラフィの有用疾患:
5. 悪性リンパ腫:67Ga-クエン酸ガリウムは、悪性リンパ腫の病巣に強く集積するため、病期診断や治療効果の判定に非常に有効です。
71PM34 【核医学検査技術学】
分化型甲状腺癌の遠隔転移巣に選択性が高いのはどれか。
1.18F - FDG
2.67Ga - クエン酸ガリウム
3.99mTc - PMT
4.¹³¹I - ヨウ化ナトリウム
5.201Tl - 塩化タリウム
正解:4
分化型甲状腺癌の転移巣検索:
4. 131I-ヨウ化ナトリウム:分化型甲状腺癌(乳頭癌・濾胞癌)はヨウ素の取り込み能力を保持していることが多く、これを用いた全身スキャンは遠隔転移の検出に極めて特異性が高いです。また治療にも応用されます。
77PM20 【核医学検査技術学】
ソマトスタチン受容体シンチグラフィで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.標識核種は 123I である。
2.撮影直前に排尿を行う。
3.神経内分泌腫瘍に集積する。
4.高分化腫瘍では低分化腫瘍より集積が低い。
5.消化管の生理的集積は後期像より早期像で頻度が高い。
正解:23
ソマトスタチン受容体シンチグラフィ (SRS)(2つ選べ):
2. 撮影直前に排尿を行う:他の核医学検査と同様、膀胱の放射能を減らすことで近接する骨盤内病変の観察を容易にします。正しいです。
3. 神経内分泌腫瘍に集積する:膵・消化管の神経内分泌腫瘍 (NET) の多くは表面にソマトスタチン受容体を発現しており、これに結合する標識剤(オクレオチド等)が有用です。正しいです。