📌 骨折の原因と分類
- 発生原因による分類
- 外傷性骨折:健常な骨に許容範囲を超える急激な外力が加わって生じる。
- 病的骨折:骨腫瘍、骨粗鬆症、骨髄炎などの基礎疾患により骨強度が低下し、日常生活程度の軽微な外力で発生する。
- 疲労骨折:微小な外力が同一部位に反復して加わることで生じる。中足骨(第2・3中足骨)や脛骨に多く、過度な運動を行う者に好発する。
- 皮膚損傷の有無による分類
- 閉鎖骨折(単純骨折):骨折部が皮膚の下に留まり、体外と交通していない状態。
- 開放骨折(複雑骨折):骨折部が皮膚を突き破り、外部に露出した状態。細菌感染による骨髄炎のリスクが極めて高いため、受傷部の洗浄と感染防止が最優先事項となる。
🦴 骨折の形状と特徴
- 完全骨折と不全骨折:骨の連続性が完全に断たれたものを完全骨折、一部がつながっているものを不全骨折と呼ぶ。小児に見られる若木骨折は不全骨折の代表例である。
- 剥離骨折:強力な牽引力が加わることで、腱や靭帯の付着部が骨の一部とともに引きちぎられる。
- 粉砕骨折:骨折線が複数あり、骨片が3個以上に分かれた状態を指す。
骨折の治癒機転
骨折後は、血腫形成から肉芽組織の増殖、仮骨形成を経て、最終的に元の骨組織に再構築(リモデリング)される。治癒には、適切な固定による局所の安静と、良好な血行維持が必要不可欠である。
📍 臨床上重要な特定部位の骨折
- コーレス(Colles)骨折:転倒して手をついた際の橈骨遠位端骨折。骨片が手の甲側(背側)に偏位し、フォーク状変形を呈する。
- スミス(Smith)骨折:橈骨遠位端骨折のうち、骨片が手のひら側(掌側)に偏位するもの。
- 圧迫骨折:高齢者の骨粗鬆症が背景となる。椎体に垂直方向の力が加わり、胸腰椎移行部(Th11〜L2)に好発する。
- 眼窩吹き抜け骨折:眼球への直撃により、薄い眼窩底(下壁)が骨折する。複視や眼球陥凹、鼻出血を認める。
- 高齢者の大腿骨骨折:転倒により大腿骨頸部(または転子部)に発生しやすく、長期臥床の原因となる。