🫀 冠動脈(冠状動脈)とは?
心臓は全身に血液を送る強力なポンプ。しかし、心臓自身の筋肉(心筋)も休むことなく働き続けるために大量の酸素と栄養を必要とする。
そのエネルギーを届けるための「心臓専用の補給ルート」が冠動脈(冠状動脈)!
冠動脈は他の血管と助け合わない「終動脈(単一支配)」。そのため、ここが詰まると血流が完全に途絶え、心筋が死んでしまう(梗塞が起こりやすい)!
🛣️ 冠動脈の走り方(解剖学)
- 起始部(はじまり):大動脈の根元にある大動脈バルバルバ洞から直接、左右に1本ずつ分かれてスタートする。※冠動脈は、大動脈から「一番最初」に直接分岐する血管!
- 左冠動脈(LCA):太い幹(主幹部:LMT)から始まり、すぐに2つの大きな枝に分かれる。
- 前室間枝(前下行枝:LAD):心臓の前面を通り、左心室の前壁や中隔の大部分を養う。
- 回旋枝(LCX):心臓の左脇から後ろへ回り込み、左心室の側壁や後壁を養う。
- 右冠動脈(RCA):心臓の右側を通る一本の長い血管である。右心房、右心室、さらに刺激伝導系(洞房結節や房室結節など)に栄養を送る。
🩸 血流の特殊なルール(生理学)
- 流れるタイミング:全身の血管は心臓の収縮期に血液が流れるが、冠動脈は「心臓の拡張期」に最も多く血液が流れる。収縮期は心筋の圧迫により血管が狭くなるため、弛緩した拡張期に血流が最大となる。
- 循環量:安静時の冠血流量は、心拍出量の約5%(約250 mL/min)を占める。
⚠️ 主要な疾患(虚血性心疾患)
冠動脈が動脈硬化などで狭くなったり、詰まったりする病態を総称して虚血性心疾患と呼ぶ。
- 狭心症:血管が狭くなり、一時的に心筋が酸欠になる状態。
- 心筋梗塞:血管が完全に詰まり、その先の心筋が死んでしまう(壊死する)状態。