💡 高電圧変圧器と二次側換算
X線高電圧装置では、鉄心に一次側と二次側の2つのコイルを巻いた高電圧変圧器(トランス)を使って、X線管に必要な高い電圧まで上げる。
- 一次側:電気が入ってくる側
- 二次側:高い電圧になってX線管側へ出ていく側
- 巻き数と電圧:コイルの巻き数が多いほど電圧は高くなる
🔄 巻線比と電圧・電流の関係
一次側と二次側の巻き数の比率を「巻線比」という。
一次側の巻き数を $n_1$ 、二次側の巻き数を $n_2$ とした時の巻線比は
$$a = \frac{n_2}{n_1}$$
変圧器ではこの巻線比によって電圧や電流の大きさが決まる。
📊 JIS規格における公称最大電力の計算
公称最大電力は、X線高電圧装置がどれくらいの電力を出せるかを表す値。
$$ P = \frac{f \cdot V \cdot I}{1000} $$
( $P$ : 公称最大電力 $[\text{kW}]$ 、 $V$ : 撮影管電圧 $[\text{kV}]$ 、 $I$ : 管電流 $[\text{mA}]$ 、 $f$ : 管電圧リプル割合に応じた係数)
- 係数 $f$ はリプル百分率で決まる!
- $f = 1.0$: リプル百分率が 10%以下
- $f = 0.95$: リプル百分率が 10%を超え、25%以下
- $f = 0.74$: リプル百分率が 25%を超える
🔋 コンデンサ式装置の放電電圧降下
コンデンサ式装置では、ためていた電気をX線撮影に使うため、撮影中に管電圧がだんだん低下する。
- コンデンサの基本公式: $Q = C \cdot V$
- 下がった電圧( $\Delta V$ )の算出式:
$$ \Delta V = \frac{Q}{C} $$
( $Q$ : 撮影で使った電気量 $[\text{C}]$ または $[\text{As}]$ 、 $C$ : コンデンサ容量 $[\text{F}]$ )
- 波尾切断電圧: X線を出し終わった後に残っている電圧
$$ 波尾切断電圧=初期充電電圧−\Delta V $$
🔌 電源環境や管電流による波形の変化
管電圧の波形は、装置だけでなく電源環境や管電流、高電圧ケーブルの長さによっても変化する。
- 電源インピーダンスの影響: 電源インピーダンスが大きいほど、大きな電流を流したときに電源電圧が下がりやすくなり、装置の最大出力も低下する。
- 管電流によるリプル変動: 管電流(mA)が大きいほど、電気を速く消費するため管電圧のリプル百分率が大きくなる。
- 高電圧ケーブル長の影響: ケーブルが長いほど静電容量が大きくなり、コンデンサのような平滑効果が強くなる。そのため、リプル百分率は小さくなる。