💡 実焦点と実効焦点(線焦点の原理)

X線管において、陰極からの電子が陽極に衝突する場所を「実焦点」撮影方向へ飛び出していくX線のスタート地点の幅を「実効焦点」と呼ぶ。
- 実焦点: 陰極のフィラメントから放出された熱電子ビームが、陽極のターゲット面に実際に衝突する領域。
- 実効焦点: 撮影方向(真下)に向かって実際に飛び出していくX線の「根元の幅」。
- 線焦点の原理: ターゲット面を一定の角度(ターゲット角度)だけ傾斜させ、実焦点を広く実効焦点を小さくする工夫。
- 実焦点が広いと?:電子が当たる部分が広く、熱が分散する!(短時間許容負荷を増大)
- 実効焦点が小さいと?:X線のスタート地点が狭くなるため、画像の幾何学的ボケが減少し、クッキリした画像になる(鮮鋭度の向上)。
- ターゲット角度の影響: ターゲット角度が小さいほど実効焦点が小さくなるが、利用可能な放射角度(照射野)が制限。
⚡ ブルーミング効果(空間電荷効果)
📉 ヒール効果(陽極自己吸収効果)

- 原因:ターゲットの少し奥(深部)で発生したX線が外に飛び出すとき、陽極側(右側)ほど陽極自体で吸収されるから
- 線質分布への影響:ビームハードニングにより陽極側は実効エネルギーが高く、陰極側は実効エネルギーが低くなる。
- どう使う?:例えば足部のレントゲン撮影
- 厚みのある足の踵側は、X線が強い「陰極側」に向ける。
- 薄い足のつま先側は、X線が弱い「陽極側」に向ける。
- ヒール効果がいらん場合は?:陰極側の放射線を弱らせ全体を均等にするフィルタ(補償フィルタ)を使用。
🚫 焦点外X線(ステム放射)
- 発生の仕組み
- 画像への影響: 本来のX線に『いらない光』が混ざるため、被写体コントラストを著しく低下。
- 物理的特性
- 対策: X線管容器の放射口付近に「近接羽根(奥羽根)」と呼ばれる可動絞りを配置し、不要な焦点外X線を物理的に遮断。