電子線は超高速で飛んでいる電子!
マイナスの電荷を持ってるから直接電離放射線に分類される!
電子が物質にぶつかるとき、大きく分けて「散乱(方向転換)」と「阻止(エネルギー損失)」が起きる。
- 弾性散乱:原子核の近くを通るとき、エネルギーを失わずに方向だけを変える現象。
- 発生確率はターゲットの原子番号 $Z$ の 2 乗に比例する。
- 電子は非常に軽いため、重い原子核にぶつかると大きく跳ね返る(後方散乱)。
- 非弾性散乱:原子とぶつかってエネルギーを失う現象。次節の「阻止能」がこれにあたる。
2. 電子の阻止能 📐
電子が単位距離を進む間に失うエネルギー(阻止能)には、2つの種類がある。
- 衝突阻止能: 周囲の電子を弾き飛ばして失うエネルギー(電離・励起)。
- 放射阻止能: 原子核にブレーキをかけられ、X線を出して失うエネルギー(制動放射)。
これらを合計したものが「全阻止能」になる。電子は非常に軽いため、重荷電粒子に比べて放射損失の割合がずっと大きいのが特徴!
3. 臨界エネルギー ⚖️
「衝突損失」と「放射損失」の大きさがちょうど同じになるエネルギーのライン。
臨界エネルギーの目安 📈
電子のエネルギーが臨界エネルギーを超えると、「放射損失(制動放射)」の確率が急増する!ターゲットの原子番号 $Z$ が大きいほど、低いエネルギーで放射損失が優位になる(公式: $E_{\text{c}} \approx 800/Z \, \text{[MeV]}$)。
- 鉛 (Pb, $Z=82$):約 10 MeV
- 水 (H₂O, $Z_{\text{eff}} \approx 7.4$):約 100 MeV
4. 電子の飛程 📏
電子や陽電子は軽いため、原子にぶつかりながら物質中をジグザグに進む。止まるまでの深さ(飛程)にはばらつきがある。
- 実用飛程:エネルギーが高いほど飛程が長くなる。
- $R_{\text{p}} \approx 0.52E - 0.3 \, \text{[g/cm²]}$
- 陽電子の消滅:電子対生成やβ⁺ 壊変で生じた陽電子 ($e^+$) は、止まる直前に周囲の電子と合体し、2 本の消滅放射線(0.511 MeV γ線)になって姿を消す!