1. 絶対測定と相対測定:測り方の「格」の違い
放射能を測る方法は、大きく2つに分かれる。
- 絶対測定(Absolute Measurement):標準線源を使わずに、装置の幾何学的条件や物理法則から直接 Bq を算出する方法。
- 4π計数法:試料をガスフロー計数管の中に置き、全方向( $4\pi$ ステラジアン)に飛ぶ放射線をすべて数える。
- β-γ同時計数法:β線とγ線を同時に出す核種に対し、それぞれの検出器で測った計数率と、両方同時に反応した計数率を組み合わせて、検出効率( $\eta$ )をキャンセルして値を求める。
- 定立体角法:線源と検出器の距離・サイズから計算で求める。
- 相対測定(Relative Measurement):強さがわかっている「標準線源」と比較して測る、実務的な方法。
2. 臨床で使われる装置:ウェル型とドーズキャリブレータ
- ウェル型 $\text{NaI(Tl)}$ シンチレーション検出器:検出器に「井戸(ウェル)」のような穴が開いており、そこに試料を入れて測る。
- メリット:線源をぐるりと囲むため、幾何学的効率が極めて高く(ほぼ100%)、微量な試料を高感度で測れる。
- パルス波高分布のデータをもとに、計数値を決定する。
- ドーズキャリブレータ(放射能測定装置):患者に投与する直前の強い放射能を測るための電離箱。
3. 表面汚染の計測:直接法と間接法
- 直接測定法:GM計数管などのサーベイメータを汚染箇所に直接かざして測る。
- あらかじめ自然計数率(バックグラウンド)を求めておく。
- 汚染を見つけたら、針が安定するまで(時定数に等しい待ち時間をおいて)その場所で測定器を保持して読み取る。
- 間接測定法(スミア法):ろ紙などで汚染面(通常 $100 \text{ cm}^{2}$ )を拭き取り、そのろ紙を計測器で測る。
- メリット:バックグラウンドが高い場所でも、拭き取ったろ紙を別の静かな場所で測れるため正確。
4. 正確に測るための「補正」の知識
- 後方散乱:試料台で跳ね返った放射線が余計にカウントされる現象。
- 試料台の原子番号が大きいほど、厚いほど大きくなる。
- 自己吸収:試料そのものの中で放射線が吸収されて外に出てこない現象。厚い試料ほどこの補正が重要になる。