0. 放射線検出の「共通の目的」
全ての放射線検出器の共通の仕事は、「放射線が物質に与えた物理的な変化(電離や励起)を、電気や光の信号として取り出すこと」
🚀 今回のテーマ: 電離や励起以外の「傷跡」「熱」「核反応」などを利用して放射線を捉える特殊な仕組み。
1. 飛跡(ひせき)を利用する:固体飛跡検出器
放射線がプラスチックなどの物質を通り抜けるとき、その軌跡に沿って原子レベルの傷跡(潜像)を残す。
- 仕組み: 傷跡を薬品(アルカリ溶液など)で処理(エッチング)すると、傷跡が広がり、「エッチピット」という穴として顕微鏡で観察できるようになる。
- 代表的な素材: CR-39(プラスチック検出器)。
- 用途: 重荷電粒子(アルファ線など)や中性子の測定に非常に優れている。
2. 熱を直接測る:熱量計(カロリメータ)
放射線のエネルギーが物質に吸収されると、最終的にすべて「熱」に変わる。この温度上昇を精密に測ることで、吸収線量を算出する。
- 特徴(絶対測定): 装置を他の基準で校正する必要がなく、物理法則から直接線量を求められるため、吸収線量の標準(絶対測定)として用いられる。
- 課題: 温度上昇は非常にわずか(数マイクロ度程度)なため、高度な断熱構造が必要。