🦋 甲状腺の解剖学(かたちと場所)
- 位置と形状
- 場所:頸部の前面、甲状軟骨のすぐ下にあり、気管の前面を抱くように位置
- 形:左右の「葉(右葉・左葉)」と、それをつなぐ「峡部(きょうぶ)」からなり、蝶が羽を広げたような形をしている。重さは成人で約15〜20g
- 微細構造
- 濾胞(ろほう):甲状腺の内部には「濾胞」という小さな袋が並び、ここにホルモンの原料(コロイド)が蓄えられている
⚙️ 甲状腺ホルモンと調節(体のエネルギー工場)
- 甲状腺ホルモン(T3・T4)
- 名称:サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)
- 原料:ヨウ素(ヨード)を必須成分とする
- 作用:全身の代謝を盛んにし、成長や発達(特に脳や骨)を促進する。ミトコンドリアの働きが活発になる。
- カルシトニン
- 分泌:濾胞の間にある「傍濾胞細胞(C細胞)」から分泌される
- 作用:血中のカルシウム濃度を下げる
- 分泌の調節(フィードバック機構)
- 司令塔:視床下部(甲状腺放出ホルモンTRH)→下垂体前葉(甲状腺刺激ホルモンTSH)→甲状腺
- ブレーキ:血中の甲状腺ホルモンが増えると、TSHの分泌を抑制するネガティブフィードバックが働く
🏥 主要な甲状腺疾患
- バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
- 病態:自己免疫によりホルモンが過剰に出る状態。女性の罹患率が高い
- 症状:メルゼブルクの三徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)、体重減少、発汗など
- 検査値:T3・T4が上昇し、TSHはフィードバックでほぼ測定限界以下まで低下する
- 橋本病(慢性甲状腺炎 / 甲状腺機能低下症)
- 病態:自己免疫により甲状腺組織が壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下する疾患
- 症状:むくみ、徐脈、寒がり、活動性の低下など
甲状腺疾患は全体的に男性よりも女性の罹患率が高いのが特徴。また、バセドウ病などの機能亢進状態では、代謝が異常に活発になるため食欲があっても体重減少がみられ、血中のTSHはフィードバックにより低下する。